絶対彼氏


「どうしたらもとに戻るんですか?」

「明日にはもとに戻りますよ?」

「明日までこの姿とか絶対にイヤ」

幸い明日は休日
でもこんな体で家に帰って家事するなんて無理
1人なら未だしも杏子姉が家に居るんだから

「ま、取り敢えず頑張ってください」

「他に方法は…無いんですか?」

「んーそうですね…」

考え込む先生
そして何か閃いたようにこう言った

「両思いの人とキスをすればもとに戻りますよ?」

不敵に笑う先生
両思いの人なんて居ないから諦めるしかないのかな…

「分かりました、それじゃ失礼しました」

さっさと話を切り上げて理科室を後にする紫苑
私どうしよ…
家に帰れないじゃん!



校門を出ると下校時刻を過ぎたからか生徒はほとんど歩いてなかった

「お前、家に電話してお姉さんがいつまで居るか確認しろ」

「え、なんで?」

「いいから早く」

何なの…とか思いながら携帯を鞄から取りだし杏子姉に電話をかける

それにしても携帯がいつもより大きい…


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