絶対彼氏


「つーかお前さ、その腕どうした訳?」

あれ…話反らした…?

気のせいだよね

「理科の時間に色々あったんですよー」

痛くないからすっかり忘れてた
お風呂入るときもちょっとしみたくらいだし

「ドジ」

「あれは事故だもん
試験管が割れたから拾おうとしたら、フラスコが落ちてきたんだから!」

居眠りしそうになった私が悪いんだけどね

「結局はお前がドジなのが悪いんだよ」

バーカとでも言いたげな顔で私のことを見ている

「ムカつく…」

「子供はさっさと寝ろ」

「子供じゃないもん!!」

「その姿で言われても説得力ないんだけど」

フッと鼻で笑う

「寝れないんだから仕方ないじゃん」

「寝れるようにしてやろうか?」

「え…?」

何言ってんのって聞こうとした気にはすでに遅い

気づくと私は紫苑に押し倒されている体勢になっていた

「なにしてんのよぉ…」

「状況見て分かれよ」

分かるよ、見れば分かるよ!

「何で押し倒してんのか聞いてるの」

「おまじない」

「さっきの会話…聞いてたの?」

「さぁ?」


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