絶対彼氏


ていうか今さらだけど顔近いから!
鼻と鼻が触れそうな距離

紫苑が喋る度に吐息がかかってくすぐったい

そのまま顔が近づいてきて反射的に目を瞑る

でも一向に何も起きないから目を開けてみる

「何?
キスされるとでも思った?」

不敵に笑うその顔が、月明かりに照らされて色っぽくみえた

恥ずかしさとドキドキで多分顔が赤い

「か…からかわないでよ!」

「顔がリンゴ飴」

「う、うるさーい」

「つーかさっさと寝ろ」

本日何回目かのその台詞とデコピンをして紫苑は去っていった

「いった…」

額を擦りながら部屋に戻る

布団に入るもののさっきの出来事が頭の中をぐるぐると回っていて逆に寝れなくなった

「最悪…」

それにしてもさっきの顔…色っぽかったな…

はぁぁぁ
何考えてんだろ、私

あんな奴には絶対に惚れてたまるか!!

心の中でそう呟き布団の中に潜った


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