絶対彼氏


朝から和食って久々だなぁ
いつもトーストとか目玉焼きだし

「お前食うの遅いよな」

「普通でしょ?」

「いや、遅いだろ
そんなチマチマ食ってて味すんのか」

「おいひいよ」

多分紫苑が食べるの早いんだよねぇ
私は至って普通だし

「食べながら話すなよ」

「ねぇこんなに早起きして何するの?」

「大掃除」

「グヘッ」

は?大掃除?
何で赤の他人の私が紫苑の家の大掃除しないといけないのよ?!

吃驚してご飯が喉に詰まったじゃん

「間抜けな声出すなよ
ホントにお前女か?
もっと色気のある声出せよ」

「な…色気なくてすいませんね!!
これでも一応女ですー」

どうせ私ぺちゃぱいだしさ、寸胴だしさ…
あんた取り巻いてるようなピッチピッチのナイスバディな女とは、かけ離れてますよーだ!

「取り敢えず大掃除じゃないから安心しろ」

「じゃあ何すんのよ?」

ちょっとキレ気味の私
色気がないことを引き摺ってみる

「お前が喜ぶところ」

「前もそんなこと言わなかった?」

まぁあの時は喜んだけどさ…

「言ってない、気のせいだろ」

「ご馳走様でした」

色々と話していたらいつの間にか食べ終わった

「さ、行くか」

食べ終わった食器を持ちさっさと部屋から出ていく

「私が持ってく!」

ぴょんぴょん跳び跳ねて紫苑の手から食器を奪おうとするがこんな体じゃ届くわけがない


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