学園プリンセス☆【短編集】
わたしは童話の赤ずきんとは違う。
自らオオカミさんに食べられに行くんだ。
だから―・・
がちゃん
「はあはあ!!」
教室からでていった、オオカミさんを探し回ること30分。
汗だくでたどり着いた最後の場所は・・
「いた。オオカミさん」
いつもの屋上だった。
音は聞こえているだろけど、背中を向けたままの状態で横たわっている。
カンカン―
「」はしごを上り、静かにオオカミさんの背中に近づく。
「・・・オオカミさん」
話しかけてもピクリとも動かない。
ポツリとオオカミさんが話し出す。
「・・・思い伝えてきた。・・・わかりきってたけど。」
「うん・・・」
「お前には・・なんとも思ってないッつったけど。あいつら二人を見てたら・・・やっぱ自分の気持ちも整理しなくちゃって。・・・勝手なことおもった。」
「ううん。・・・勝手なんかじゃないよ。」
わかりきっている結末にきちんと向き合おうと思ったオオカミさんは、本当にすごいよ。
「なんでもっと早く伝えなかったんだろうって後悔して・・・お前にやつあたりした。」
「ふふ・・・今日はすごくよくしゃべるね」
「・・お前おちょくるなよ。」
これが本当のオオカミさんなんだよね?しーちゃんと王子には見せている顔・・。