学園プリンセス☆【短編集】

「・・そんな考えから違ってたな。俺が志摩子に告っても何もかわらねーってのに。」


「・・・・・うん」


背中を向けて、あぐらをかいている状態のオオカミさんを後ろからギュッと抱きしめる。


「・・自分の気持ちに向き合ってオオカミさんはすごいよ。」


わたしもわかりきっているけど、この気持ちをありったけぶつけよう。


「・・わたしはオオカミさんが好き。」

心の中では、勝手にわたしのオオカミさんとか散々思ってきたくせにいざ口にだすとなると、とてつもなく恥ずかしい。



「うん・・知ってる。」



「ぶう・・・意地悪だ」

きっぱりとものを告げないオオカミさんの優しさが逆に泣けてくる。



「わたしはオオカミさんに、いつか食べられるのを待ってる。」


「・・・・ぶ!・・・クク」



盛大に吹き出したあとに、小刻みに体を揺らすオオカミさん。
わ・・・笑っている。



うわ・・・

「笑った顔可愛い」

さりげなく脇のあたりから顔をひょっこりとだし、オオカミさんの表情を除く。


「て・・・てめー」

ギュー


「ぎゃ!苦しいいいい!!!」

脇をそのまましめられ、落としにかかってくる。

ギブギブー!!!!




「はっ!ははは!」

「ふふ・・・あははは!」


何がおかしいのかその後しばらく二人で笑い合っていた。
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