初恋
席は恒例のフジコちゃんお手製くじ引きで決められることになった。
ディズニーランドのお土産の缶に入った番号の紙を一人ずつ引いていく。
あたしの席は、23番。
なんと…
なんと、最前最中央教卓の真ん前の席…!!!
ついてないなぁなんて席に向かうと、更についてないことに隣の席は石井俊だった。
「はぁ…マジでついてないんだけど…。」
「よっ!」と片手をあげてニヤつく石井を華麗にスルーしてあたしは席に着いた。
「おーまえー!なんだその顔!人気者の石井くんの隣の席だぞ超ラッキーじゃねぇかよ!」
「ちょっと冗談はそのウザイ存在感だけにしてよね不人気者の石井くん。」
「はー!時任酷くね?可愛い顔して酷くね?」
「はい、可愛い時任さんと不人気者の石井くんお願いだからちょっと黙ってねー。」
フジコの声にクラス中の子が笑った。
「すんません、俺の時任がマジ可愛くてすんません。」
クラスメイトに笑われて更に調子に乗った石井が言った。
更に更にクラス中が笑いに包まれて、可愛いを連呼されたあたしも満更じゃなさそうに石井の背中を叩く。
と、その時…。