初恋

お道具箱や音楽袋を載せて、ドカドカと隣に移動してきた山田の様子を盗み見ると、真っすぐな瞳とぶつかった。


「なぁ…。」


慌てて目線を黒板に戻そうとすると、引き止めるようにあたしの服の袖を引っ張って山田が言った。


「お前は誰の?」


言ってることの意味が解らず「え?」と聞き返すと、山田はニヤリと笑って言った。


「赤くなっちゃって、可愛い時任。」

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