初恋

誕生日


山田の隣の席になってから早2週間が経ち、校門の桜もすっかり散り終えて、風の匂いも爽やかな新緑の香りに移り変わろうとしていた。


そして…。


あたしにとって、いや、学年の女子大半にとっての一大イベントが明日に迫っていた。



明日、山田が12才の誕生日を迎えるのだ。



成績優秀で、50m走のタイムが1番早くて、これまで5年連続でリレーの選手に選ばている山田は、学年の男子の中で断トツの人気がある。


確実に女子全員が今までに1度は好きになったことのある超人気者だ。


あのスギちゃんでさえ3年生のときは山田にベタ惚れで、今でも当時の話をするとほんのり頬を染める。


そんなわけだから、毎年山田の誕生日はなんとかして山田に近付きたい女子たちにとっての一大イベントなのだ。

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