初恋

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「何!?どうしたの!?あら…愛里ちゃん?」


1年2組担任岩本里美が帰りの会を始めようと教室に行くと、男子に囲まれてしゃがみ込んで泣く時任愛里の姿があり、その下には小さな水溜まりができていた。

教師生活3年目、この春初めて1年生を受け持つ里美にも、この状況を理解するのにそう時間はかからなかった。


「愛里ちゃん、大丈夫よ愛里ちゃん。平気、立てる?いらっしゃい。…航太くん。あなた先生が来るまでここにいて、誰も踏まないように見てて。いいわね?」


里美は愛里を持ち上げるようにして立たせると、水溜まりを見つめて俯く航太にそう言い付けた。

航太が俯いたまま「はい。」と答えるのを聞くと、里美は「よし。」と言って愛里を保健室に連れて行った。

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