初恋

「身体拭いたらこのパンツとスカートはいて。お家でお洗濯してもらって返してね?先生が連絡帳に書いておくから。」


先生の魔法に未だ驚きながら愛里はこくりとうなづいた。



着替えも終えて、教室に戻ろうとした時、コンコンというノックの音とともに航太が入ってきた。


「あら航太くんっ!先生のお言い付けまも…」

「ごめんなさいっ!」


里美の言葉を遮って航太は深々と頭を下げた。


「ぼく、ろーかはしったから。ときとーさんにドンッてしたからわるいんだ。ときとーさんはわるくないんだよせんせ。だからおこっちゃだめだよ?」


一生懸命説明しようとする航太に、愛里はほんの少しだけ胸がきゅっとなるのを感じた。


「先生は怒ったりしないわよ。だから安心して。そうね、もうお着替えも終わったし、航太くん、愛里ちゃんとお教室に戻っててくれる?先生もすぐ行くから。」


航太は安心したように「はいっ」と答えると、愛里の手を引いて保健室を出た。

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