この手を繋いで。~実話 第一章~
同じ建物の中に居るのに、うちは
朝陽に逢われへん。
今離れてるんがめちゃくちゃ辛い。
だから翌日、朝陽のお母さんに頼んだ。
どうしても逢いたい。
一目でもいいから。
朝陽には姉が居る。
その姉の名前を借りることにした。
身内じゃないことがどれだけ辛いか
身に沁みてよくわかった。
ICUに入って初めて朝陽を見た時。
もうその時から、
うちは全てを受け入れる覚悟は
出来てたんやで。
午前中はシャワーで体を洗い流して
たから、疲れた顔してる。