この手を繋いで。~実話 第一章~
やっぱり仕事の話を多々していて、
気になってるんやろな。
かと思いきや、うちに『早く車戻ろう』
とか、『真希も手洗いや』、
『あ、真希食べたな?お腹すいてたん?』とか言ってる。
とにかくうちは、
『今は病院で治療中やから。早く治そうな。』ということを伝えた。
ずっとずっと手を握ってたけど、
痛そうで譫言ばかり言うてる。
一緒に頑張ろうとしか言えない自分が
いかに無力で役立たずなのかがわかった。
その翌日。
意識が朦朧としているのには変わり
なかったけど、オムツをしていた。
早く、この状況から
抜け出させてほしかった。
体を起こしても視点が合わない。
声をかけたら反応するけどすぐに
意識は飛ぶ。