この手を繋いで。~実話 第一章~



やっぱり仕事の話を多々していて、
気になってるんやろな。



かと思いきや、うちに『早く車戻ろう』
とか、『真希も手洗いや』、
『あ、真希食べたな?お腹すいてたん?』とか言ってる。



とにかくうちは、
『今は病院で治療中やから。早く治そうな。』ということを伝えた。



ずっとずっと手を握ってたけど、
痛そうで譫言ばかり言うてる。



一緒に頑張ろうとしか言えない自分が
いかに無力で役立たずなのかがわかった。



その翌日。
意識が朦朧としているのには変わり
なかったけど、オムツをしていた。



早く、この状況から
抜け出させてほしかった。



体を起こしても視点が合わない。



声をかけたら反応するけどすぐに
意識は飛ぶ。







< 42 / 91 >

この作品をシェア

pagetop