この手を繋いで。~実話 第一章~



駅前に向かって歩き出す。



うちは何回も『大丈夫?』って聞いた。



退院してすぐやから、ちょっと歩いただけ
でも、ものすごい体力使うの知ってるから。



『うん。大丈夫!』って笑顔で
朝陽は答えてくれる。



一歩一歩、ゆっくり、確実に。



うちらは進んでる。



なぁ、朝陽。



アホみたいなことでケンカして、
うちが泣きながら怒った日を覚えてる?



『朝陽なんか大っ嫌い!!』って
言っちゃったよな。










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