この手を繋いで。~実話 第一章~
『ちょっとグロいよな』って朝陽は
火傷跡を見て言うけど、
うちはそんなん関係ない。
今、朝陽と一緒におれることが一番の
幸せやから。
久しぶりにひとつになれた時、
スヤスヤ眠る朝陽の寝顔を横目に
火傷跡にキスをした。
例えどんな傷がついても、
この腕も、身体も、顔も全部
うちだけの朝陽や。
何回も心の中で、
神様に感謝してるし、朝陽にも
ありがとうって言うてる。
うちは絶対に忘れへん。
この気持ちに嘘はひとつもあれへんもん。
この日記を読み返すたびにあの日の
記憶が蘇る。
そしてこの日記は、一生かけての
朝陽へのラブレターになる。
ムカついてケンカしても、
その何百倍も好きな気持ちに気付く。