アイツに彼氏が出来た。
「おいっす。何だぁ?俺、早く来たのに、何で俺より早くお前来てんだ?」
優太に言った。

「あぁ。お前より早く着きたかったからな。さすがに焦ったよ」
と優太は答えた。
少し汗が垂れている。走ってきたらしい。

「まぁ、私は今日学校が早帰りだったからよゆーで来れたんだけどね。」
「お前にゃ訊いてねーよ」
「ひどっ…まぁ、貴殿に言いたいことがあったのじゃよ」
琴美のその変な口調に意義ありだったが、ひとまず聞いてみることにした。

「言いたいこと?」
「うん、善?は急げって言うし」

そこまで言ってから、琴美は優太の方を振り向いた。

…?

「あのね、私達」言葉を紡ぐ琴美の唇を、優太が優しく掌で触れて制す。
「いいよ、やっぱり俺が言う」

「…?何だ?お前ら、」

「あのさ、
…俺達、付き合ってるんだ」


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