zinma Ⅰ

不変の蒼




シューに引っ張って連れて来られたのは森だった。


ふたりだけで遊ぶときは、ほとんど森に来る。それがふたりで遊ぶようになってからの決まりになっていた。


古くからこの村を守ってきたこの森には、不思議な力があると言われている。

そんな森は僕たちの秘密の時間をすごすのに、ぴったりだった。

まるでこの村にしているように、僕らの秘密も守ってくれているようだったから。




それに。

と、僕は考える。




それにこの森にいると。



この不思議な森の空気に、僕も溶けていくような感じがして。



僕の存在を意識しなくてすむから。



落ち着く。
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