zinma Ⅰ
気がついたら、僕は森の草の上に寝ていた。
体がひどくだるい。
頭も少し、痛む。
なんだか、すごく嫌な夢を見ていた気がする。
するとすぐ後ろから、
「起きたか。」
という平坦な女の人の声がする。
振り向いてその姿を見てから、僕はさっきまでのことを思い出した。
夢じゃ、なかったのか。
それにまた顔が歪むのを感じながら、やっと小さく声を絞りだす。
「………何がしたいんだよ。」
すると女の人はまるで動じず、なぜか満足げにうなずいてから話し始める。
「まず、これだけは約束しろ。途中で口を挟むな。最後まで聞け。いいな。」
それに僕は黙る。
なんなんだこの人。
一体何を…………
「お前があの日に使ったのは、魔術ではない。」
え?
でも。