zinma Ⅰ
死への旅
それから一週間。
カリアとファギヌは、毎日村の人たちの家に呼ばれて、大人たちに外の国の話をした。
それは外界を知らない村の人たちの情報源となり、何より楽しい余興になった。
カリアとファギヌも、こんなに平和な村は見たことがない、と喜んで村の人たちと関わった。
僕はその一週間。
朝起きてから寝るまで、ずっとシューとすごした。
朝早く起きてからのアルマさんのパン作りの時間も、シューは起きてきていっしょにやってくれた。
それからアルマさんと、カリアとファギヌ、そしてシューと朝食をとり、森に行く。
お昼までシューとふたりで森で遊び、アルマさんの作ってくれたパンとチーズのお弁当も、森で食べた。
お昼からは村でラニテイたちと日が暮れるまで遊び、家に帰る。
夕ごはんを食べて、寝るまでの時間は、シューと僕の部屋で星をながめて、たくさん話した。
それを一週間繰り返した。
アルマさんが紐に通してくれたシューのお守りの石の首飾りを首から外さず。
これから遊べないぶん。
これから誕生日を祝えないぶん。
一生分、いっしょに過ごした。
この一週間は、今までの僕の人生の中で、一番幸せで、平和なひと時だった。
そしてきっと。
これからも。
こんな生活は、夢のまた夢になってしまうだろう。