5通のラブレター
−今日は凜歩が退院する日。
みんな外で見送っている中、私は一人病室から眺めていた。
何となく会いたくなかったんだ。
「はあー。」
最近ため息ばっかり‥
「莉音。」
「お姉ちゃんか。」
「あたしで悪かったわね。それより、見送んなくていいの?」
「うん。ここからでいい。」
「そっか。んじゃあたし行くね?」
「うん。」
行った方がいいのかもしれない。
でも勇気ないや。
こういうとき弱い自分が嫌になる。
親友とのお別れのときも
別れるのが嫌で教室から見ていた。
みんなで書いたお別れカードも渡せず、伝えたいことも伝えられず、今だに後悔している。
「また、後悔するのかな‥」
「莉音!!」
外から声がした。