【完】風に恋をする。
健…?
佳織…?
「頑張って、ね…」
「ん、サンキュ」
健は佳織の頭をポンポンと優しく叩いて、風馬のところに行ってしまった。
佳織は、下唇を噛み締めて、小さく震えている。
「か、おり…?」
「悔しい…ッ!! あいつ、あんなに頑張ってんのに…ッ!!
”秀才”は、”天才”に勝てないなんて…!!」
「…」
この時…あたしはわかったんだ。
佳織は…健を想って泣いているんだと。
佳織は…
健に”恋”してるんだ──と。