【完】風に恋をする。
【勝手に触んな】
記録会を境に、沢渡高校の練習を見に来る人が多くなった。
小学生、中学生、高校生…また、おじいちゃんやおばあちゃんまでいる。
「すごい人、だね…」
「まぁ…嬉しいっちゃ嬉しいけど…練習しにくいったらありゃしねっ」
雅弘くんは、苦笑い。
ちょっとクールっぽいけど、おふざけものの雅弘くん。
話しやすくて、いい人なんだ。
「雅弘くんは、400リレー?」
「そうだなぁ…風馬と競うために、5000もいいけど…」
「風馬と? …風馬は人気者だね」
みんな風馬と競いたがるし…。
…ちょっと複雑…?
「ぷっ。妬いてんの?」
「ち、違…っ//」
「あっはは! わかりやすいねー」
雅弘くんはケラケラと楽しそうに笑う。