【完】風に恋をする。
「風花チャン? 無理しない方が…」
「大丈夫だよ! ありがと、雅弘くん!」
「…っ//」
「風花ーちょっといいー?」
「ぁ、うん!」
あたしは佳織に呼ばれ、少し早足で向かった。
「ありゃ…風馬が気にするのもわかるな」
雅弘くんが、そう呟いたのも知らずに。
「大会…?」
「うん、近いからさぁ。風花も見る?」
「うん! 絶対見る!」
「そっか! 良かった!」
佳織は、嬉しそうに笑った。
…ドクンっ…
あれ…?
今…なんか心臓変だった、かな…?
…大丈夫、だよね。大丈夫、
そう、何度も自分に…言い聞かせた。