【完】風に恋をする。






「ぁ、の…ふ」

「明日、午後6時から近くの海辺に集合」

「ぇ…?」

「花火大会の日程」


俺がそう言うと、風花は目を丸くする。

そして…そっと、嬉しそうに微笑んだ。


「絶対行くね!」


そう笑う風花は、花のように綺麗で、

みとれてしまう。


「…なぁ、風花」

「ん?」

「俺の頼み事、言っていい?」

「? なに?」





「…生きて」






俺は、風花に聞こえるように、小さな声で呟いた。




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