【完】風に恋をする。
「…三時間だ」
「ぇ…」
「三時間だけ、外出の許可をだそう」
「進藤さん…っ」
優しく笑う進藤さんに、思わずウルッとした。
だけど、すぐに真剣な表情にもどる。
「だけど、決して無理はしないでくれ。正直、今君を外に出させるのは大変危険だ」
「…」
「起こってからじゃ遅いんだ」
あまりにも真剣な進藤さんの瞳に、頷くしかなかった。
大丈夫、大丈夫…。
そう、
自分の体に言い聞かせた。