【完】風に恋をする。
翌日、あたしは外に出る準備をした。
倒れる前は、準備なんていらなかったのに。
準備っていっても、検査みたいな。
その検査が細かすぎて、自分でもびっくりだ。
1時間くらい検査をして、あたしは久しぶりに、両足で立ち上がった。
足がガクガクしてる…。
そんな自分が情けない。
歩こうとした時、病室のドアが開いた。
「風花」
「…ふ、ま…」
なんで…?
もうすぐ6時だよ??
「迎えにきた」
そうニッと笑う風馬の笑顔に、胸が高鳴る。
差し出された手を、ゆっくり、そっと…握った。