【完】風に恋をする。
待ち合わせ場所は、この病院からさほど遠くない。
むしろ、近いぐらいだ。
15分ぐらい歩けば、すぐに着いてしまう。
「許可でたんだな」
「ぁ、うん…。三時間だけ」
「そっか…。あんま長くいられないよな…」
少し寂しそうに言う風馬。
その姿が、少し可愛く思えた。
海辺に着けば、すでに陸上部全員集まっていた。
「ぁ、風花! こっちこっちー!」
両手を大きく振る佳織の元へ、あたしは少し急ぎ足で向かった。
「みてみて! この花火!」
「わぁ…っ」
バッと置いてある花火の量は、とにかくすごかった。
7セットもある。