【完】風に恋をする。
「久しぶり、風花ちゃん」
「部長…」
「随分、スッキリした顔してるな。いつものお前だ」
「…はい。先輩の、言った通りでした」
『お前が好きだから一緒にいんだよ!!!』
「そっか」
「もうすぐ、大会ですよね」
「あぁ」
「その大会、行けないです。すみません」
「…そっか」
「その日──」
この言葉を先輩に言った瞬間、
先輩は目を丸くした。
「噓…だろ…?」
「皆には、秘密ですよ」
「お前…こんなとこにきていいのかよ…」
「三時間だけです」
「…バカだろ、お前」
先輩はハァーッと片手で顔を覆っている。