【完】風に恋をする。
「…風馬にも言わないのか」
「言いませんよ、絶対」
「…」
「あたし、この陸上部が好きです。大好きなんです」
生まれて、初めて、
”幸せ”を感じられた場所──…。
「風馬が、好きです」
その”幸せ”のきっかけをくれた、君が好き──。
「走ってる風馬が、好きだから、優勝して帰ってきてほしい」
きっと、君がこの事を知ったら、
大会なんて出ないかもしれない。
そんなの…絶対嫌だから。