【完】風に恋をする。
君と出会った日──
本当はさ、森下大祐に会いに行ったんじゃないんだよ。
森下大祐は、その日の前日にとっくに退院してんだぜ??
俺と健がお前の部屋に入ったのは、
”偶然”なんかじゃないんだ。
ましてや、”運命”なんて…。
あの日、本当は…ちょっとしたおふざけ気分だった。
俺も、健も。
「なぁ、大祐がいた病室の隣の子って女の子だろー? どんな子?」
健のこの言葉がはじまり。
「あぁ、あの子ね…。一回、会ってみれば?」
大祐が呆れたように、そんな事言うから…
俺と健で、会いにいったんだ。