【完】風に恋をする。


「んじゃ、俺帰るな」

「ん、明日、ね」

「おぅ」


俺は鞄を持ち、風花のいる病院へと向かった。

病院に着けば、風花の病室から進藤さんとの会話が聞こえる。


「…無茶のしすぎだ」

「無茶をしてでも、あたしは…逢いたい」


この風花の言葉で、今日俺と逢う事を話してるんだとわかった。


「…わかった。けど、大会の日は」

「わかってます」

「…」

「わかってるから、今…無茶をしたいんです」


俺はその言葉を聞き、病室を離れた。

風花に会わせる顔が…なかった。


あんな真っ直ぐな風花を、俺は信じてられない。


風花…頼むから、














生きてくれよ。



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