【完】風に恋をする。
ー風馬side-
外が暗くなり、俺は病室のドアにそっと手をかける。
それと同時に、病室のドアが開いた。
「わっびっくりしたぁ…」
「外、出れるって?」
「ぁ、うん! 行こっ!」
そう笑う風花は、キラキラしてる。
ここで、思いっきり、
風花を抱きしめたい気分に襲われた。
俺はそんな衝動を抑え、そっと風花の手を握った。
俺より…ずっと、ずっと小さな手。
赤ん坊みたいに小さな手が、
愛しくてたまらなかった。