【完】風に恋をする。
ー風花sideー
「残りの一ヶ月、風花の事何も知らないで過ごすのは嫌だ」
ねぇ、風馬。
本当はさ、
あたしがいなくなるから、聞きたいんだよね。
草むらに、そっと腰を下ろす。
風馬は、あたしの隣に座った。
「好きな食べ物は…唐揚げ。病院食の中で唯一おいしかった!」
「嫌いなのは?」
「牛乳! 毎日毎日、でてきてうんざり」
「苦手な事は?」
「んー…苦手なのは、雷。病室真っ暗だし、一人だし…苦手」
「…得意、なのは?」
「早く寝る事!」
「ぶっ」
「あたしね、看護士さんに褒められた。風花ちゃんは早く寝るねーって」
「なんだそれっ」
「寝れば、寝れば…寂しい思いをしないでしょ?」
「…」