【完】風に恋をする。




「っ///」

「ってか、本日とか皆様とか、俺たちしかいねーじゃん」

「…ねぇ、妄想、言っていい?」

「は? まぁ、いいけど」

「明日風馬が優勝カップもって病室に来るの。それでね、あたしの病気も完治して、あたしは風馬の家に居候。それでね、デートして、ちょっとエッチなことして、20になったら綺麗で大っきなシンデレラ城みたいなところで結婚式するの。それで、綺麗なマンションに2人で住んで、子供を産んで三人家族。ぁ、柴犬欲しいな。それで、ずっと、幸せに暮らすの…っ」


泣きながら言うあたしの背中を優しく撫でてくれる、

大きな手──…。



「いくつか、訂正していい?」

「ぇ…?」

「20とか遅すぎだから。18になったら即籍入れる。あと、子供は2人。男の子と女の子」


流れる涙は、さらに溢れ出す。


「ぁ、それと、優勝カップはさすがにもってこれねぇっ」

「んっ…」

「最後に、それ、妄想じゃなくて、決定事項じゃん」

「…うぅ〜っ…」

「ははっ!」


ねぇ、風馬、

こんなあたしに、こんなにも大きな幸せ与えて…




あたし、逝けないよ。





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