【完】風に恋をする。
そんな俺の言葉に、一瞬目を丸くしたけど、すぐにタコのように顔を赤くした。
俺は思わずプッと笑った。
コイツに…
世界を見せたい。
今まで、この病室しか知らなかった風花に、
外の広さを教えたい。
コイツが…どれだけ望んだことだろう。
太陽の下で、駆け回って、自分の足で走る事──。
「風花、もっと、我が侭言っていいからさ」
「ぇ…?//」
「今まで、風花が我慢してきた事、俺が全部叶えてやるから」
それしか、できないから。
今、俺がコイツにできるのは…
それぐらいしか見つからない。