【完】風に恋をする。
「そういえば…啓くんに会ってないなぁ」
「なに、会いたいの?」
「だって…もう、会えないかもじゃん」
…。
会わせたいような、会わせたくない気分。
いちよう俺のダチでも、”男”なわけで。
ぶっちゃけ、微妙な気分だ。
「会いたいなぁ」
そう寂しそうな顔をする風花に、俺は完敗。
病院を出て、啓に即行病院に来るように電話した。
「よっ、大会前日なんだけど」
「わりぃな」
「別にいいけど。ってか、どういう風の吹き回し?」
「ぁー…まぁ、ちょっと緊急事態で」
「ふぅん…。お前、風花ちゃんとつき合うの?」
「つき合ってんの」
「へぇ、それはおめでとう」
クスクス笑う啓にイライラしながらも、俺は風花の病室のドアを開けた。
そこには…知らない男が風花と話している。