【完】風に恋をする。
ー風花sideー
「ねぇ、風馬は走るの好き?」
「は…? いきなり、どうした?」
「だって、誰よりも練習してるから」
「…ん、まぁ。好き、かな」
風馬は、そっと、優しく笑った。
彼の笑顔を見るのは初めてで、
胸が鳴った。
「いつからやってるの?」
「中学から。健に誘われてな。最初は短距離だったんだけど、監督に長距離やれって」
「それで長距離?」
「そ」
「健は?」
「健も長距離。あいつはずっと長距離だな」
「へぇ」