【完】風に恋をする。
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あたしは、病院から借りた日傘を差して、学校のグラウンドへと足を踏み入れる。
わぁ…やわらかい…。
初めての土を踏む感触に興奮してるあたし。
「…野原?」
名前を呼ばれ、振り返ると風馬が立っていた。
「フウマ!」
「お前…」
「へへっ!//」
「…良かったじゃん。こっち」
風馬の後をついて行くと、いつも窓から見ている光景。
たくさんの人が、準備している。
「うわ!! 風馬が彼女連れてきてるー!!!」
ほえっ?!
あたしは突然の大きな声で、思わず体がビクゥッとなった。