【完】風に恋をする。
「ヒガー今日って練習午前中だけー?」
「そうだよー」
「じゃあさ、風花も誘って、アイス食いに行かねー?」
「行く行くー!」
アイス…って、あれだよね。
冷たい食べ物…。
「ねぇ、風花も行こ!」
「う、うんっ!」
「よっしゃぁ! 風馬ー!」
健が呼ぶと、風馬はこっちに駆け寄ってきた。
「なに」
「帰り、四人でアイス食いにいこーぜ!」
「四人…? 野原、お前大丈夫なの?」
「ぁ、うん。日傘差して、走ったりしなければ」
「そっか」
「んで、行く??」
「行くよ。つーか、無理矢理行かせる気満々だろーが」
「ははっ! あたり」
そう笑う健に、風馬は呆れたようにため息をつく。
けど、表情はどこか…嬉しそうだった。