【完】風に恋をする。
練習が終わり、3人はものすごい速さで着替えてきた。
「おまた〜??」
「お、おま…?」
「ぁ、待ったー? って」
健くんは、少し恥ずかしそうにそう言った。
「ううん! 全然!」
「そっか! おい、風馬ー! 早くしろよ!」
「へーへー。わりっ待った?」
なんで2人ともそんな事聞くんだろ…。
むしろ、速くてもう少しゆっくりでいいとすら思っているのに。
「風花おまたせー!」
佳織がギュッと背中に抱きついてきた。
「わっ」
「こら、佳織。風花はいちよう病人だ」
か、おり…??
2人って…つき合ってるのかな??
なぜか、ズキッと胸が痛んだ。
「いいじゃーん♪」
「ほら、アイス食いにいくんだろ」
…なんか、風馬ってお母さんみたい。
そんな事を思い、思わず口元が緩んだ。
あたしは日傘を差して、3人についていく。