【完】風に恋をする。
「お前も5000だろ?」
「…」
「リレーはお前にあわない。それに、駅伝だってあるだろ。
俺はお前と競いたい」
「…帰れよ」
「風馬、お前は”天才”だよ。だけどな、
俺は一度もお前に劣ってるとは思った事ねぇんだよ!!!」
「…ッ」
「いいか、俺はお前を超えてやる。”天才”だって言われて、浮かれてんじゃねぇぞ。
今年の欄西は沢渡高校を超えることを目標にしてる」
「浮かれてなんてないさ」
「どうだかっ。そのわりには、400リレーか5000で迷ってるみてぇじゃねぇか。どうせ、同じ仲間の奴に気を使ってんだろ」
「…」
風馬…??
「まっ、今度の記録会楽しみにしてるよ。じゃあな」
啓くんが校門を出ようとしたとき、「ぁ、そうだ」と止まった。