私はダメ人間じゃない~ネットカフェ難民の叫び~
『あ、うまくいきましたか。それではそれを今から言う住所へ送ってください。はい、送料は着払いで結構です』

そのまま近くのコンビニに入ると、私が44万円を出して買ったカーナビは、その金融会社へ送られた。


(うまく行った)


と、思った瞬間に、ぎゅっと胸をしぼられたような痛みが走る。

大事なことに気がついたのだ。


(もし、これが詐欺だったら)


慌てて先ほどのサイトを開いて、ローン会社のホームページを確認した。金融会社なら登録番号が書いてあるのではないだろうか。

もし表示してなければ、私は高価な買い物をさせられた上に、それを騙し取られたことになる。

心臓の鼓動が激しくなる。呼吸は浅くなり、息苦しさを感じて大きく息を吸ってみた。


(あった!)


そのサイトの最下部に、金融業登録番号が表示されていた。


「都(1)第……」


それを見て、私はほっと胸を撫で下ろした。

考えて見れば、こんなホームページまで作っている会社が闇金融のはずはない。と、この時の私は安易に考えていた。



迎えた月曜日。

この日に私は寮を追い出されることになっていた。詰所で手続きをしなくてはならないが、その前に銀行残高の確認を行った。

しかし、そこに入金されていたのは目を疑う金額だった。


「14万円」


(なにこれ)
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