ホタルが舞う季節

「よろしく!川端さん!」


気付けば、既に隣に来ている夕真くん。


「えっ、あっ、ひかり。あたしのことは『ひかり』でいいよ。」


「じゃ!俺も夕真でいいよ。」


「うん!よろしくね。」


そんな言葉を交わし、教科書のない夕真と机をピタッと合わせ、一つの教科書を一緒に見ながら授業を聞いた。


時々、皆のコソコソ話す声が聞こえ、


夕真と顔を見合わせてクスクスと笑った。


皆の話のタネは夕真のことだったから。




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