+Black Blood.
badness.

1



□ □ □



「名前は?」


「・・・・・・・・知るか」


「本名が無いのか?
親は?」


「知らない。親も・・・分からない。」




物音一つ無い静寂の中。


パイプ椅子と鉄製のデスクがあるだけの【取調室】は、【拷問室】なんだろうと一人の青年は思った。



「知らないワケが無いだろ?あ?


お前がハガネっつー奴なんだろ?

こっちにゃ目撃証言と写真だってあるんだからな?」




青年の前に居る一人の中年男性がその前髪を引っ張った。


ぺ、とその口から血の塊が吐き出された。



「知らねえよ 」



パイプ椅子に鎖で縛り付けられた青年は、飄々と言い放つ。





自分の罪を懺悔する気も全く無い様な目で。



「よくそんな口聞けるよなぁ???!


街ひとつ潰した人っ殺しがよォ!!」



重い、重い拳が青年の頬に直撃した。



ガッチャァアン・・・・



手錠で繫がれたまま重みに耐えられず、椅子ごと床に叩き付けられた。






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