+Black Blood.
「ぅ・・・・・・・・・」


空羽が少し、顔に皺を寄せた。

空羽の手首は、真紫の痣。


(掴みすぎた)


ぐったりと、汗ばんだ身体を俺に預ける空羽。



「もう嫌だ」
「それ2回目」


がぶ、と俺の首を噛んだ。


「痛いって」


「ざまぁみろ」


「動物か空は」


そう毒づいてるけど、内心カワイイとは思う。


「動物みたいなモンだろ。

どっかに入れられて、何不自由なく育てられる。んで、好きな時に出されて、また遊ばれて。いつだってそうだった」


「俺のコトぉ?まぁ二人には環境が悪かったかもしれないけど、ソレのおかげで今生きてるんでしょ」


「お前から逃げたときに、俺だけ捕まったんだよ。変態に」


そう言っている空羽の顔は、生き生きしていた。


「その変態、好きなの?」

「尊敬はしてる。まぁ、仁叉と同じ様な人間」

「ソイツがかくまってたのかぁ・・・
俺ずっとお前の事捜索してたんだよ?」


「だとは思ったけど。」


「ま、空羽と羽牙祢はどう足掻いたって軍の狗だけどね・・・・」


「フン」



ぐい、と俺の胸を押し、逃げようとする。



「エスケープ?」


「お前なんか嫌いだ」


「・・・・・・・・・・・・・・・」


< 100 / 359 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop