+Black Blood.



□ □ □ 



薄暗い雰囲気、篭った空気。
物音一つせず、光が差さない。



(なんせ国会軍事会なんですカラ)


溜め息をつきながら、階段を駆け上がるゼロ。



(あぁ、無花果は軍の人間だな)


そう、ゼロが気付いたのは、ある写真からだった。



ロビーの棚に飾られてた1枚の写真。


瓜二つの顔をした双子が無表情に、制服を着、国家軍事館の前に立っている写真だ。


不思議と、疑問は生まれてこなかった零。




(でなきゃあんなに強い訳ねぇか)



瞬発力、動体視力、反射神経、柔軟性、聴力。

どれも欠けず、優れている。


「・・・・・・・・・・嗅覚はなさそうだけど。」



目の前に、きっちりと閉められたドア。

微かに、物音。


(無花果と、男。)



そして、目の前の部屋に入った後の出来事も、想像していた。
開けてしまう罪悪感に襲われるが、仕方が無い。


(このドアを開けたら、無花果はもとの世界に戻るのだろうか・・・・

それとも、一緒に居る男に俺が殺されるか)


一瞬、腰に装着している銃を構えた。



(行くしかねぇもんな)


そう思い、零はその扉を開けた。




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