+Black Blood.
改めて、息を呑む無花果。

仁叉は致命的な怪我は負っていないようだが出血が酷い。
床などが血だらけだ。


「・・・・・・・どうしたんだよ、零 」


忘我に、仁叉に攻撃をし続けていた零。


「・・・・・・ 別 に」


動きを制せられたお陰か、妙に大人しくなる零。



「・・・・・・・らしくねぇ・・・・、」


無花果は、目の前にある背中に顔をつけた。


(鼓動の音が凄ぇ)



零が仁叉から下りる。



「仁叉? オイ、」


未だ動かない仁叉の頬を叩く無花果。


「ん、・・・・空。


アレ、俺、地下に繋いだハズ、」


チラリと足首の錠を見れば、うっすら開かれたその瞳はどこか可笑しそうだった。


「・・・・・・・・・・ゴメン、破っちまった」

「だろうねぇ・・・・・・・ヤンチャな子」


からからと笑う仁叉に、ばつが悪い顔をする無花果。


だが、奥で睨みを利かせてる零を見ると、笑いは止まった。



「零、くん?まだ怒ってるの?」


いけしゃあしゃあと無花果を胸に収める仁叉。



「・・・・・・・さあ」


曖昧な答えに、無花果は顔をしかめる。


「零、何なんだよ、お前らしくねぇ。もっとハッキリ言う奴だったのに」


グイ、と仁叉を押し、零の元に行く無花果。




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