+Black Blood.
「今ここで零君を殺る事もできるけどねぇ・・・」


カチャン、と手に持っていた銃を構えるふりをする仁叉。


「でも、空羽キミの事気に入ってるみたいだし?」

「無花果、そうなのかぁ?」

「う、死ぬ・・・・・・・」


ドン、と無花果が零の背中を叩いた。


「・・・・・・ま、そう言う事にしとく。」

「あぁそう、空羽泣かせたら零君殺るから。もしくは軍にブチ込むか」


にっこりと、爽やかな笑顔で毒を吐く仁叉。



「逆に俺が無花果に泣かされたら?」


「良いんじゃない?」


「俺の事毛嫌いしてるだろ」


「うん。だって体こんなになっちゃたし~」


また、からから笑う仁叉。


(無花果は愛されてるなぁ・・・・)


暑っ苦しい仁叉からの愛情がひしひしと零にぶつかる。

チラリと仁叉は零を見、そして鼻を鳴らした。



「・・・・・・・・・・・持って来なよ。どうせ、また取り返しにくるよ」

「・・・・・・・フン」


(どうも下から見下ろされてる気分でいけねーや)


と、内心毒づきながら部屋を出て行く零。


カツン、カツンとその靴音が建物に響き渡る。





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