+Black Blood.
□ □ □
「う・・・・・・・・・・」
(んだ、頭いってぇ・・・)
頭に血が上る不快感に、目を覚ます無花果。
「?!」
そして、ガバッと身を起こす。
「こ、ここどこ・・・・」
(ベッドか・・・?でも、知らねぇこんな部屋・・・ここ何処だ?)
辺りを見渡す。
自分が寝ているのはベッドで、シーツが真っ黒なのが印象的だった。そして、床色、カーテン、絨毯などを見ると全体的に黒で統一されている部屋だった。
すんすんと鼻を嗅がせる無花果。
「・・・・・・・・・・・・・・、ミッションの、匂い」
数日間で、激戦があった中嗅覚が少し極められた様だった。
(・・・・・・零の匂いに似てる)
「おはよう無花果」
「ぎっ!!!!」
零が真正面から登場した。
頭に想像した人物がいきなり実像になって登場するのは無花果でも驚く事だった。
「何、その驚きっぷり。ヒトがわざわざ運んでやったのに」
「・・・・・・は、こんだ・・?」
「忘れたのか?何かお前気ぃ失ってさぁ。んで、今に至る。」
ぎし、とベッドの端に腰をかける零。
「ここ、律の会社のとある部屋。」
「・・・・・・・・・・、そ・・・・・。こんな暗い雰囲気の部屋もあるんだな、・・」
重い頭を振り切るように、ベッドから立ち上がる無花果。
(っ・・・・・・、ヤバイ、腰・・・)
「痛ぇの?」
「・・・・・・・・、」
前屈みに倒れた無花果を見下ろす零。