+Black Blood.
「チョコやっから、機嫌直せ?」

「・・・・・・・・・何だソレ・・・」


単純な思考に思わず吹き出す。


「む・・・・・」


無花果の口に、少し形が歪んだチョコレートを放り込んだ。


「・・・・・こないだの、余った奴?」

「ん。どう?」

「甘い。」


そして、無花果もパンに食らい付いた。


「収容所じゃ飲み物しか取らなかったのに食べるようになったんだな。」

「神経使うと腹減るから」


内心動いていいのかいけないのか分からない無花果だったが、そんな事も構わずに平気でくっついている零。


「・・・熱い、離れてくれ」

「俺は寒い」

「零が熱すぎるんだ。寝てた方が・・・」

「・・・・・・寒い、から。」


その場凌ぎの言い訳のように苦しく答えた零。


「熱、上がったか?」

「知らね」


(腕が熱い・・・・・・起きてるから・・・・

仕方無ぇ・・・・、)


少し眉を寄せ、零に凭れるように後ろへ倒れた無花果。

当然、力など出ない零はそのまま倒れる訳で。



「・・・・・どしたの積極的だね」

「最終手段だ」


そして、零を背中で押し倒したまま起き上がろうとする無花果。



「っ、」


(首 が熱い、)


急に肩を掴まれ再び倒れたところに、零に項のキスを貰った。


「・・・・・仕事ガンバってぇ~」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」


へら、と笑う零だった。


(誰のせいだよ・・・・)





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